「インテリアは自分を映す鏡」”好き”と暮らす部屋づくり(前編)
- 2025.10.03
– 日々をつくる、福井の工芸
インテリアスタイリスト・山形奈都子さん編 –
「なんだかモヤモヤするな」 そう感じた時、あなたは何をしますか?
そういう時、インテリアスタイリストの山形奈都子さんは、幼い頃から決まって「模様替え」をしていたと言います。

「模様替えをすると、雑然と置かれていたものが整理されて、視界だけじゃなくて思考までクリアになるような感覚になるんです。」
彼女にとってインテリアとは、心を映し出す鏡そのもの。 夫婦二人で暮らす48平米の賃貸マンションには、その哲学がすみずみまで息づいていました。
今回は、山形さんのインテリアとの向き合い方や、実際にアイテムをお部屋に取り入れる上でのティップスなどを、前後半2回に分けてお届けしていきます。

山形奈都子さんプロフィール
インテリアスタイリスト。兵庫県生まれ。大阪府育ち。
現在は福井県で夫と二人暮らし。賃貸マンションでDIYや模様替えを楽しみながら、ライフスタイルショップ『ACTUS』での8年間の勤務経験と、自宅での模様替えで培った発想力を活かし、フリーランスとして活動中。住空間や店舗、SNSの印象設計など、選ばれる空間づくりをサポート。ルームスタイリスト・プロ、整理収納アドバイザー1級の資格を保有。夫婦の私物フリマプロジェクト「YAND」運営。
▼Instagram
■ インテリアが、世界平和の小さな一歩かもしれない
山形さんのInstagramの投稿で、ひときわ目を引く言葉があります。
「インテリアで世界平和」
壮大に聞こえるその言葉には、彼女自身の経験と大切な価値観が隠されていました。

「結婚当初は、正直あまりインテリアについて夫婦で会話することもなくて。お互いにインテリアショップの店員だったのに、それぞれの好みを認め合えないことも結構あったんです。」

「でも、インテリアへの学びを深めたり、新しい物を取り入れる中で互いが歩み寄ることで、インテリアが私たちの『共通言語』になっていきました。
今では、夫婦で新しいコンテンツを作ったりなど、インテリアが私達の仲をつないでくれたと思っています。」
ただ、お部屋の見た目を整えるだけではない。インテリアは、私たちの気持ちにまで影響を与える。
そして、一つ屋根の下で共に暮らす、家庭という小さな単位の平和が、世界を平和にしていくのかもしれない──。
その気づきを原動力に、山形さんは多くの人の「心地よい」を見つけるお手伝いをしています。
■ 山形さんの実践スタイリング:福井の伝統工芸を、今の暮らしに
本企画のテーマは、「日々をつくる、福井の工芸」ということで、SAVA!STOREで取り扱っているアイテムを実際に山形さんにスタイリングしていただくことに。
今回は、福井の伝統工芸を現代の暮らしに繋ぐプロジェクト「F-TRAD」のアイテム2つをご用意しました。
●使用アイテム
・NIVI PLATE:
天然漆の特性を活かしたシンプルな漆塗りのプレート

NIVI PLATE(4サイズ4色)
・keshiki 花の椀:
お椀の形状を活かした、漆器製のユニークなデザインの花器

keshiki 花の椀(1サイズ3色 ※黒・朱:漆塗/木地:ウレタン塗装)
「うちに実際に置いてそうな子達ではありますね!」
と慣れた手つきで次々にレイアウトを変えていく山形さん。
その手つきの一つひとつが、過去の経験の深さを静かに物語っているようでした。
それでは、アイテムを取り入れる前と後、Before/Afterでお部屋の雰囲気をお届けします。
Before▼

NIVIのPLATEとkeshiki花の椀を取り入れる前
After▼

NIVIのPLATEとkeshikiの花の椀設置後
元々素敵なお部屋でしたが、目線のいく場所や、全体的な印象が少し変わりました。
NIVIのPLATEもkeshiki花の椀も世界観があるアイテムですが、周りのアイテムとのバランス感がよく、お部屋の立体感や物語性が増したのを感じます。

新しいものをただ取り入れるだけではなく、すでにあるものと調和させたり、メリハリをお互いにつけ、いつもと同じ風景に少しの動きや変化をつけること。
模様替えの奥深さと、正解のない自由さが少し垣間見えたような気がしました。
■ 工芸品は自分からは程遠い存在?
「実際に取り入れるにはハードルが高く、
荘厳で、インテリアとは少し遠い存在」
伝統工芸にそのようなイメージを持っていたという山形さん。
実際にF-TRADのアイテムを使ってみて、どう感じたのでしょうか?

「『これが伝統工芸品なのか』と疑うくらい、すごくカジュアルに使えるアイテムばかりで。
こだわりは随所に見えるけれど、普段の生活にすっと溶け込んでくれる。この心地よいギャップが、すごくいいなと」

keshiki 花の椀(木地)
「アイテムに触れながら感じたのは、なんとなく自分の所作が丁寧になるというか、背筋がすっと自然に伸びるような感覚でした。
一つのアイテムをきっかけに、他の場所も片付けたくなったり、これまで見えていた景色が変わったり。日々の暮らしを少しだけアップデートしてくれる存在なのだと思います」

うるしダルマ on NIVI PLATE 角・小(錆赤)
背伸びすることなく、少しずつ変化する暮らしに寄り添う一つのもの。
それは、日々の景色を、そして自分の内面を、そっと整えてくれる存在になるかもしれません。
▼記事後半は こちらから
■F-TRADについて
今回、山形さんのスタイリングで使用されたアイテム、「NIVI PLATE」と「keshiki 花の椀」。
これらは、福井県が誇る伝統工芸を今の私たちの暮らしに合わせてアップデートしていくプロジェクト「F-TRAD(エフトラッド)」から生まれたプロダクトです。
越前漆器、越前和紙、若狭めのう細工、若狭塗、越前打刃物、越前焼、越前箪笥など、福井の産地に根付く職人の技術と現代のデザインが出会い、日々の暮らしに寄り添う新たな道具が作られています。
SAVA!STORE実店舗では、10/10(金)〜10/19(日)までF-TRADのPOPUPを開催中です。
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